「いらっしゃいませ」の裏側 – 花屋オープン準備の舞台裏

店内の様子

みなさん、こんにちは。都内の花屋「フルール ドゥ リュミエール」で働く藤沢葵です。私たち花屋の一日は、お客様に「いらっしゃいませ」と声をかける前から始まっているんです。今日は、その「いらっしゃいませ」の裏側、お店がオープンするまでの準備について、舞台裏を詳しくご紹介したいと思います。

花屋の魅力は、美しい花々に囲まれて過ごせるところ。でも、その美しさを保つためには、たくさんの準備と手間が必要なんですよ。花の仕入れ、管理、ディスプレイ、接客など、花屋の仕事は実に多岐にわたります。私も花屋で働き始めた当初は、その大変さに驚きました。でも今では、花に囲まれて働くことのやりがいを感じながら、毎日の仕事に励んでいます。

毎朝、お店に着くと、まずは花たちの様子を見るのが日課です。一輪一輪の表情を見つめ、元気にしているかな?水は足りているかな?お客様に喜んでもらえる状態かな?と、心を配りながらチェックしていきます。花の状態を見極めることは、花屋にとって最も基本的なスキル。美しさの裏には、そんな職人の目が光っているんです。

朝一番にすること

掃除と換気

お店に入ったら、まず取り掛かるのが掃除と換気。花たちが美しく、長持ちするためには、清潔な環境と新鮮な空気が欠かせません。床や棚、ガラス面などを隅々まで磨き、空気の入れ替えを十分に行います。花粉やほこりは、花の大敵。丁寧に取り除くことで、花たちが本来の美しさを保てるようサポートします。

掃除道具も、花屋ならではのこだわりがあります。花びらを傷つけないよう、柔らかな素材のはたきや布を使います。床掃除も、花の落下物を拾いながら、コツコツと。効率よりも丁寧さを重視する、花屋ならではの掃除スタイルです。

水やり

掃除が一段落したら、花たちへの水やりです。切り花にとって、水は命。適切な水管理なくして、美しい花は生まれません。水の量や汚れ具合、水質など、細部までチェックしながら、ひとつひとつ丁寧に水を替えていきます。

花の種類によって、必要とする水の量や水質が異なるのも、花屋ならではの知識。バラやガーベラなどの茎が太い花は、たっぷりの水を好みます。一方、スイートピーやストックなど、繊細な茎の花は、水量のコントロールが難しい。そんな花の個性に合わせて、きめ細やかなケアを心がけています。

水やりのコツは、「花の気持ちになること」。花に寄り添い、必要なケアを的確に行うことが、美しい花を咲かせる秘訣なんです。

花の状態チェック

水やりをしながら、同時に進めるのが花の状態チェック。一輪一輪、注意深く観察しながら、傷みやしおれ、病気の兆候などがないかを確認します。少しでも変化を見つけたら、すぐに対処。傷んだ花は、他の花への影響を避けるため、すぐに取り除きます。

状態チェックで大切なのは、花の変化を見逃さない観察眼。花の状態は、ときに一瞬で変わります。だからこそ、毎日欠かさずチェックを行い、変化の兆しを早期発見することを心がけているんです。豊富な経験と知識があってこそ、花の SOS サインを感じ取ることができる。そんな花屋ならではの技を、日々磨いています。

花の状態管理は、花屋にとって基本中の基本。美しい花を提供し続けるための、欠かせない作業なんです。心を込めて花と向き合う姿勢が、お客様に届く花の美しさを支えているんですよ。

お店の顔を作る

ディスプレイ

花の状態管理が一段落したら、次はお店の顔づくりです。お客様を引き付ける、魅力的なディスプレイを考えていきます。季節感や色合い、花の形や大きさのバランスなど、さまざまな要素を組み合わせながら、美しく調和のとれた空間を作り上げるのが腕の見せ所。

ディスプレイ作りは、まさに花屋の感性が問われる仕事。季節ごとの花の特徴をよく理解し、それを活かす構成力が必要です。春なら、ふんわりとした優しい雰囲気。夏は、元気いっぱいの鮮やかな色使い。秋は、深みのある落ち着いた印象。冬は、凛とした佇まいを意識します。季節の移ろいを、花で表現するのが花屋の醍醐味なんです。

ディスプレイのポイントは、お客様の目線に立つこと。入店したお客様の目に、どう映るか。買いたくなる花の魅力を、どう引き出すか。そんな顧客目線を大切にしながら、販売戦略も練り込んでいます。目玉となる花を目立つ位置に配置したり、関連する花をセットで提案したり。お客様のニーズを先読みしながら、ディスプレイを工夫しています。

初めての頃は、なかなか思うようなディスプレイができず、悩んだこともありました。でも今では、たくさんの経験を積み重ねる中で、自分なりのセンスとコツをつかめるようになりました。毎日、新しい発見とアイデアを取り入れながら、お客様に喜んでいただけるディスプレイ作りを追求しています。店頭に並ぶ美しい花々は、そんな努力の結晶なんですよ。

POP作り

ディスプレイと並んで大切なのが、POP(ポップ)作り。お客様に花の情報をお伝えするための、店頭の説明カードのことです。花の名前や価格、産地、花言葉など、魅力的な情報を分かりやすく伝えることで、お客様の購買意欲を高めることができるんです。

POP 作りのコツは、読みやすさと親しみやすさ。丁寧な手書きの文字で、花の魅力を優しく語りかけるように書くことを心がけています。難しい専門用語は避け、どなたにも分かりやすい言葉選びを意識します。時には、花言葉やちょっとした豆知識を添えることも。お花選びが楽しくなるような、ちょっとした工夫を凝らしています。

デザインにもこだわりを持って取り組んでいます。可愛らしいイラストを描いたり、華やかなレイアウトを施したり。思わず手に取ってもらえるような、魅力的な POP を目指して、アイデアを練っています。

SNS投稿

お店の魅力をお客様に伝える方法として、欠かせないのがSNS。お店の公式アカウントを通じて、旬の花情報や店内の様子を発信しています。その日のおすすめの花や、入荷したばかりの珍しい花など、タイムリーな話題をお届けするのが狙いです。

写真撮影にもこだわっています。花の魅力を最大限に引き出せる構図を考え、光の加減を調整して、美しく撮影。「いいね!」や「フォロー」を通じて、お客様とつながることができるのも、SNSならではの醍醐味ですね。

お客様からいただくコメントやメッセージは、私たちにとってかけがえのない宝物。「素敵なお花をありがとう」「いつも癒されています」など、嬉しい言葉の数々に、やりがいを感じずにはいられません。リクエストやご要望にも、できる限りお応えできるよう、仕入れやディスプレイに活かしています。

SNSを通じて、お客様とつながり、共に花を楽しむ。そんなコミュニケーションの輪が、私たちの励みになっているんです。

お客様を迎える準備

レジ準備

いよいよ、お客様をお迎えする準備です。その第一歩が、レジ周りの準備。レジの釣り銭を確認し、袋や包装資材を補充します。スムーズにお会計ができるよう、段取り良く進めることが肝心。慌てることなく、丁寧な接客ができる体制を整えておきたいですからね。

レジ준備は、単なる作業ではありません。お客様をお迎えする、お店の心構えを整える儀式のようなものなんです。「今日も一日、笑顔で頑張ろう」そんな気持ちを新たにしながら、お客様のご来店に備えます。

ラッピング資材チェック

花束やアレンジメントのラッピングに必要な資材の確認も、欠かせません。リボンや包装紙、ラッピングペーパーなど、種類ごとに過不足がないかチェック。お客様のご要望に、迅速かつ丁寧に対応できるよう、あらかじめ準備を整えておくことが大切です。

ラッピングは、花屋の提案力が問われる仕事。花の雰囲気に合わせて、最適な資材を選ぶセンスが求められます。カジュアルな花なら、明るくポップな色使い。高級感のある花なら、上品で落ち着いた色合い。花の個性を引き立てながら、贈る相手への思いも込めて、心を込めてラッピングします。

ひとつひとつのラッピングに、花屋としてのプライドを懸けています。手渡す瞬間、お客様の笑顔を思い浮かべながら、丁寧に心を込めて包装。「喜んでもらえますように」そんな願いを込めながら、ラッピングに取り組んでいます。

商品補充

開店前の最後の仕上げは、商品の補充。売り場の花を見渡し、在庫の少なくなった花があれば、すぐに補充します。お客様に豊富な品揃えを提供できるよう、隙間なく花を並べることを心がけています。

品質管理の面からも、花の補充は重要。開店前の限られた時間で、鮮度の良い状態を保てるよう、迅速な動きが求められます。でも、だからこそ手を抜かない。ひとつひとつの花の状態を確認しながら、丁寧に扱うことを忘れません。

花の補充は、単なる作業ではありません。「この花を、お客様にお届けしたい」そんな思いを込めながら、真心を込めて花を並べています。品揃えの豊富さは、花屋としての誇り。美しい花を、たくさんのお客様に楽しんでいただくことが、私たちの喜びなんです。

開店!そして…

接客

「いらっしゃいませ!」元気な声で、お客様をお出迎えします。おすすめの花や新入荷の花など、お客様の興味を引きそうな話題を投げかけながら、コミュニケーションを取ることを心がけています。お客様との会話の中から、ニーズや好みを汲み取り、最適な花選びのお手伝いをするのが腕の見せ所。

花の知識はもちろん、相手の気持ちを想像する力も大切。お見舞いなら「お大事に」の思い、お祝いなら「おめでとう」の気持ちを込めて、花選びのアドバイスをします。喜怒哀楽の場面に寄り添い、花を通じて思いを伝える手助けができる。それが、花屋の醍醐味だと感じています。

お客様お一人おひとりと向き合う、丁寧な接客を心がけています。花を通じて、お客様の人生に彩りを添えること。笑顔と笑顔をつなげていくこと。それが、花屋としての私の使命だと、胸に刻んでいます。

配達

店頭販売と並んで、欠かせない仕事が配達。注文いただいた花を、お客様のもとへお届けします。配達先は、個人のお客様から法人のお客様まで、さまざま。一軒一軒、丁寧にお届けすることを心がけています。

配達では、時間厳守が鉄則。お客様との約束の時間に、確実にお届けできるよう、スケジュール管理を徹底しています。道中の渋滞や天候など、予測できない状況にも臨機応変に対応。どんなことがあっても、お客様との約束を守り抜く。それが、花屋としてのプロ意識です。

お届けの瞬間、「ありがとうございます」と笑顔で迎えてくださるお客様の姿に、この仕事をしていてよかったと実感します。花を通じて、お客様とつながること。心と心を結ぶ架け橋になること。それが、配達の醍醐味だと感じています。

閉店作業

一日の営業が終わると、閉店作業の時間です。レジの締め作業や売上集計など、事務的な仕事もこなしていきます。お店の設備や備品のチェックも欠かしません。明日も気持ちの良い状態でお客様をお迎えできるよう、念入りに点検を行います。

売れ残った花の処分も、閉店作業の大切な仕事のひとつ。葉を落としたり、傷んだ部分を取り除いたりと、手間暇かけてメンテナンス。できる限り、花を無駄にしないよう、再利用の方法を考えることもあります。

閉店作業は、一日の仕事を振り返る大切な時間でもあります。今日の売れ行きを分析したり、お客様の反応を思い出したり。一日の出来事を反芻しながら、明日へのヒントを見つけています。

花屋の一日は、閉店作業で幕を閉じます。でも、花への想いは、明日へとつながっていく。「また明日、素敵な花に出会えますように」そんな思いを胸に、花屋としての一日が終わるのです。

まとめ

花屋の舞台裏、いかがでしたか?私たち花屋の一日は、美しい花々とお客様の笑顔に支えられています。花の魅力を最大限に引き出し、お客様に心から喜んでいただくこと。それが、花屋冥利につきる瞬間です。

でも、そこに至るまでには、目に見えない多くの仕事があることを、ご理解いただけたでしょうか。仕入れ、管理、ディスプレイ、接客、配達…。花屋の仕事は、多岐にわたります。どの工程も手を抜くことはできません。なぜなら、すべてがお客様へつながっているから。一つ一つの仕事に、誠心誠意、取り組んでいます。

花は、人の心を動かす不思議な力を持っています。喜びを分かち合うとき、悲しみを癒すとき、花はいつだって、そっと寄り添ってくれる。そんな花の力を、お客様にお届けできること。それが、花屋としての喜びであり、誇りなんです。

これからも、花と人とをつなぐ架け橋として、心を込めて花と向き合っていきたいと思います。「いらっしゃいませ」の一声から、「ありがとうございました」の一声まで。花屋の一日は、たくさんの笑顔と、たくさんの感動に彩られています。

次はぜひ、お店に遊びに来てくださいね。心を込めて、素敵なお花をご用意してお待ちしています。